「訪れる人をびっくりさせたい!」
お店のディスプレイやイベントの空間演出を考える際、ごく自然と湧いて出てくるこの気持ち。
それは少年時代から好きだった部屋の模様替えがルーツになっているのかもしれません。
僕は高校3年間、全寮制の学校に通いました。
思えば ”自分の部屋をカッコよくしたい” という気持ちが芽生えたのはこの頃です。
住み慣れた実家を離れ、全く知らない環境で新しく出会う人達と過ごす寮生活。
まず、これまでの生活と違ったのは、鍵が付いてない部屋に、朝も昼も夜もひっきりなしにいろんな友達が遊びに来ること。
ファッションに対する興味の延長で、ごく自然に部屋も意識し始めました。
備え付けの縦長ロッカーを横に倒して積んでみたり、服は畳まずわざとハンガーで吊るしてみせたり、海外の観たこともない映画や聴いたこともないバンドのポスターを貼ってみたり。。。。笑
とにかく部屋を訪れる友人たちを意識し
「びっくりさせたい」「カッコいいと言われたい」「新入生になめられたくない」とか。
たぶん15、6歳の少年が持つ至ってシンプルな気持ちです。
一人暮らしを始めた18歳からはそんな気持ちがますますエスカレート。
風呂もトイレも部屋の中にあって、まるで自分の城を手に入れたような気分。
ボディーシャンプーをジャケ買いしたり、トイレをライブハウスみたく暗くしたり、ドアにステッカーを貼りまくったり。。。笑
この頃は ”部屋をお店みたいにしたい” というのが常に自分のテーマにあって、ある時はレコードショップ、またある時はスケートショップ。洋服はやっぱり全部見えるように吊るしたし、ガラス貼りのショーケースにアクセサリーやフィギュアを並べたり。。。
とにかく事あるごとに模様替えを楽しんでいた記憶があって、当時は遊びに来る友人や彼女に「お店みたいだね」って言われることが僕にとって最高の褒め言葉でした。
*
*
思い返せば恥ずかしい事だらけの青春時代の僕の部屋。
でも、あの頃いつも感じていた「訪れる人をびっくりさせたい!」という気持ちは、20年以上経った今でも心の中に変わらず在って、それは家でも仕事でもごく自然と湧いて出てきます。
取り巻く環境は変わり、魅せる対象は遊びに来る友人からお客様に、演出する場所は自分の部屋から誰かのお店へと変わっても、青春時代、常にワクワクしながら模様替えを楽しんでいた純粋な気持ちは、ずっと忘れずにこれからも持ち続けたいと思っています。
部屋を飾ろう!
■Text & Photo
by YOSHIWO NISHIMURA
「GO OUT Livin’ vol.5より」
KOTOBA RELATION Supported by
ARCHIVES
-
modern times presents 『One’s Mind of RIARU ITO』【後編】
-
modern times presents 『One’s Mind of RIARU ITO』【前編】
-
「サーファー達の目を守る」創業113年のメガネ商社が開発した高品質日本製サングラス