RELATION PAPER vol.4




『SOMETHING SHARES LIFE WITH』

無くしてしまった大切な指輪が、ある日突然思いもよらない場所で見つかる。

いよいよ寿命かなと思っていた愛車の調子が、乗り換えを決断した途端急に良くなる。

その手の不思議な話は、意外にも多くの人が経験しているのではないだろうか。

それは決して偶然などではなく、『モノ』にもきっと魂が宿っているからに違いない。


ふと身の回りを見渡した時、何年も何年も持ち続けている物が誰にもいくつかあり、そこにはどれもずっと手放したくない理由がある。

大切な人からの贈り物や、一生懸命お金を貯めてようやく手に入れた物。

温もりを感じるハンドメイド、青春時代や一人旅の思い出の品。

何度読み返したかわからない手紙や絵本。。。


しかしながら、作り手はこだわりを忘れ商業的に走り、持ち手は流行を基準に飽きれば手放し、壊れれば捨てる連関を繰り返している時代。

似た様な物で溢れかえった今、何度流行が移り変わり、どれだけ取り巻く環境が変化したとしても、変わることなく人生を共有できる物に、一体いくつ出会う事ができるだろう。

幼い頃、両親や学校の先生に口うるさく言われていた「物を大切にしなさい」という言葉。

その意味を今改めて実感し、心から大切にしたいと思える『モノ』を手にしていたい。


想いは物に伝わり、使い続ける歴史の中宿り続ける。

大切なのは、そこに魂を感じられる事。


そんな『モノ』、あなたは持っていますか?




RELATION PAPER ISSUE#4
『SOMETHING SHARES LIFE WITH』

2010年4月発行

Interview :

KEN THE FLATTOP

HAROSHI

etc.



Art Direction : BAUM ART STUDIO