Philosophy

“買い物以上の何か”

「実店舗の存在意義ってなんだろう?」

タチの悪いウイルスの襲来で、外出や対面でのコミュニケーションが規制される中、それについて考えさせられる機会がますます多くなりました。

僕はこれまで、様々な業種で店舗運営やディレクション業務に携わってきました。

現場に立ち、いつも考えていたのは

「お客様にとってまた来たくなるのはどんな店だろう?」

それは業種に限らず、共通してすごくシンプルな事なのではないかと思います。


例えば街でふと入ったお店の話。

そこはこだわりを感じる内装で、清掃も隅々まで行き届いている。

ショーケースに整然と陳列されている商品は、そこでしか買えない物もあったりして。

話しかけてみると笑顔で応えてくれるオーナーとの会話は、知らなかった情報や新しい出会いすら与えてくれる。

周りを見渡すとそこにいる皆が、”買い物以上の何か”を楽しんでいるように感じ「またここに来よう」と思った。





様々な物やサービスをオンラインで購入することが当たり前となった現代。

でもその場所で、人・物・音・匂いが融合し醸し出す五感で感じる”空気感”はいくら画面をタップしても購入できません。

店主の明確なコンセプトと誠実な姿勢が伝わる場所で体感する”買い物以上の何か”は、訪れる人に特別な時間を与え、それはやがてそこで買い物をする醍醐味となるでしょう。


価格競争ではなく、本来の自店のコンセプト・想い・情熱・志を再認識し、より多くの人へと”伝える場”。

そこでしか体感できない “買い物以上の何か” をいかに表現するか。

それは新時代におけるリアル店舗の課題であり、僕はその答えをいつも探しています。


■Text by YOSHIWO NISHIMURA








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